Unit Structures/Cecil Taylor

Unit Structures

Unit Structures

Cecil Taylor(p)/Jimmy Lyons(as)/
Eddie Gale Stevens Jr(tp),Ken McIntyre(as),Henry Grimes(b),Alan Silva(b),Andrew Cyrille (ds)
1.Steps / 2.Enter, Evening [Soft Line Structure]
3.Enter, Evening [Alternate Take] / 4.Unit Structure/As of a Now/Section
5.Tales (8 Whisps)

新しいカテゴリー「ジャケットで選ぶ名盤」を作ったのは、実はこのアルバムを紹介する切り口が欲しかったからなんです。この名盤、残念ながらフリー・ジャズのレッテルが邪魔をして、流石の「スイング・ジャーナル読者のベスト100」にも選出されていないし、確信を持って全てのジャズ・ファンにすすめる「チューが選んだ名盤」に加えるには、ちょっと難易度高いし。
で、この素晴らしいジャケット・デザインを良い!という分には誰も文句無かろうと、いう訳です(笑)。BLUE NOTEレーベルの偉大さは、

・録音された音楽の素晴らしさ
・リハーサルにまでギャラを払うという、ベストの音楽を録音
 する為の、並々ならぬ努力
・日の当たっていなかった才能を自信を持って発掘した事
 (セロニアス・モンクを始めとして、数知れずの大物が
 Blue Noteでデビュー)
・ジャケットも作品の一部として素晴らしいジャケット・アート 
 を創造した事

など、ジャズ・レーベルの模範のような会社だった訳ですが、ベルリン生まれのアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフという情熱溢れる2人の創業者が、ビジネスマンである前に、純粋なジャズ・ファンだったればこそ、と言えるでしょう。

そして、これらBlue Noteの魅力を語る上で、多くのジャケットを飾る、素晴らしいモダン・アートを手がけたリード・マイルスの存在を欠かす事もできない。彼の代表作の一つが、このUnit Structuresという訳。

セシルの変幻自在な、フリー・ジャズをカラフルな複数の写真で構成した、このデザインはアンディー・ウォーホールにも通じるカッコ良さで、こいつはちまちましたCDではなく、LPで買って欲しい。そしてセシルの音楽が理解できるようになるまでは、部屋の壁の装飾品として使っても良いだろう。毎日ジャケットを眺め、1〜2年も聴いていれば、きっとセシル・テイラーの偉大さが分かる日が来ると信じています。

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