ハチママ・ナイト

今日は第二金曜日(アップが1日遅れてしまいましたが、書いた時点では金曜だったのだ)、ハチママナイトである。行き着けのジャズ喫茶「インタープレイハチ」の名物おかん(現在71歳!)が月に1度の高齢、じゃなかった恒例のジャムセッションに登場する日なのだ。

このおかん、昭和8年8月8日生まれで、それが店名の由来となっているわけだが、誕生日の如くまさにフィーバーというか波瀾万丈の人生を送ってこられたようだ。
大阪の”ええし”の家庭に生まれたママさん(当時独身、念のため)は、小さい頃からジャズが流れるハイカラ、ダンモな家庭で育ち、若い身空で何の因果か、ジャズの魅力にはまってしまった。

25歳で店を店を持ち、その後ジャズ人生をまっしぐら。まだ売り出し中の山下洋輔さんを見出し、ライブの場として店を提供した。その頃の耳には余りに前衛的な演奏に、客が一人抜け、二人抜け、気がつくと客が全員いなくなっていた、なんてこともあったそうな。

それでもハチママは洋輔さんの才能を信じて、ライブを組み続けたという。今も洋輔さんが大阪に来ると必ずハチでライブするというのは、この頃からの縁というわけ。

本人の昔話では、開店当初、ジャズの世界では珍しい”美人で若いママ”ということでお客さんの間で評判だったらしい。私がおかんに初めて会った時点で既に47歳、今ではそろそろ”おばん”と呼ぶべき年齢に達しているため、”美人だった”というくだりが真実なのか否かについては、何ともコメントがしがたい。

しかし今も昔も、非常に強烈な魅力を持った女性であるという点について異論は無い。でなきゃ、1958年にオープンしたジャズ喫茶が今まで続くわけがない。
ちなみに今は息子さんが後を継いでいるわけですが、なんでも親子2代に わたり続いているジャズ喫茶(バー)というものは世界中でハチだけで、ギネスブックものだそうだ。

おっと、遅くなってきた。そろそろ店へ行くとするか。