Survivor's Suite/Keith Jarette


The Survivor's Suite

私的JAZZ名盤集Vol.1


1.Belonging/2.Conclusion
Keith Jarette(p)/Charlie Haden(bs)
Dewey Redman(ts)/Paul Motian(ds) <1976年>

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今日はマイルス・デイビスの後という事で、僕のCDコレクション数No.3のキース・ジャレットを紹介します(ちなみにコレクション・ランキング1位はJohn Coltrane、2位がMiles Davis)。
キースのアルバムは名盤が多いので、今後も徐々に紹介していこうと思うのですが、第1弾は最近のスタンダーズしか知らない新しいキースファンの皆さんの為に、アメリカン・カルテット後期の作品「Survivor's Suite(残氓)」を紹介しましょう。
メンバーはキース・ジャレット(p)/チャーリー・ヘイデン(b)/ポール・モチアン(ds)/デューイ・レッドマン(ts)。キースは70年代、このアメリカン・カルテットと、ヨーロピアン・カルテットの2つのグループで、2つの音楽の方向性を同時に追求していました。
アメリカン・カルテットではストレート・アヘッドでフリー的要素も併せ持つ音楽を、ヨーロピアン・カルテットでは牧歌的・叙情性の強い音楽を聴く事ができます。そして録音レーベルも前者がインパルス、後者がECMと、音楽性に合った選択となっています。
さて、この残氓ですが、"Beginning"と"Conclusion"という2曲から成る壮大な組曲構成となっており、一旦聴き始めたら最後まで聴き通す事が必要です。
竹笛っぽい民族楽器のリードに始まり、ピアノとテナーが絡み合い、徐々に熱くも内省的なムードを醸成していきます。ディープなモチアンのベース・ソロ、ベースとピアノのからみと続いて幕を閉じる"Beginning"。2曲目の"Conclusion"はフリー的な色彩を帯びながらも緩急ある展開の中でキースとレッドマンの素晴らしいソロが聴かれます。そしてレッドマンのトナーの咆哮(17分30秒目)から最後のクライマックスに突入しますが、この曲のエンディングで得られる感動とカタルシスは、何故かキング・クリムゾンの「Red」を思い出させます。共に即興性の強い演奏でありながら、高度な構成美を具えた傑作という共通点があるからでしょう。

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