Sun Ship/John Coltrane


Sun Ship

John Coltrane Best Selection

1.Sun Ship/2.Dearly Beloved
3.Amen/4.Attaining/5.Ascent

John Coltrane(ts)/McCoy Tyner(p)
Jimmy Garrison(b)/Elvin Jones(ds)
<1965年>

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今日は何故か無性にコルトレーンの激しいやつが聴きたくなり通勤の往復の間中、i-PodでSun Shipを聴いていました。
このアルバムは、一般的には余り紹介される事が少ないのですが、僕個人的には後期トレーンのベスト5には入る名盤と評価しています。

このアルバムがトレーンのキャリアの中でどのような位置づけにあるのか、ちょっと説明しましょう。

後期トレーンの代表作としてだけでなく、モダン・ジャズの歴史に名高い「A LOVE SUPREME」が録音されたのが1964年12月、明けて65年には「QUARTET PLAYS」、これまた名盤「TRANSITION」、問題作「ASCENSION」 と来て8月に吹き込まれたのが、この「Sun Ship」という事になります。
この時期のコルトレーンの音楽は所謂スピリチャルな音楽性の度合いを高めてきており、批評家やファンの間でも評価が二分するようになってきていました。

正直言って、ジャズってお洒落ね、なんて甘っちょろい気持ちでこんなアルバムに手を出した日には、大火傷間違いなしのハード&へビィな音楽です。音楽に哲学的/宗教的要素を持ち込まれるのが嫌だという向きに理解しにくいでしょう。でも、僕はこの頃のトレーンの音楽を、純粋にハード・ジャズの究極形として聴いています。却ってハード・ロックやヘビメタファンの方が素直に好きになれるのではないかと思います。実際の所、いくらへビィなロックバンドが大音量で刺激的な演奏をしたとしても、このSun Shipには逆立ちしたって敵わないでしょう。

フリーキーなリフによるテーマから感動的なマッコイのピアノソロが展開されるSun Ship、美しくも感動的なテーマのDealy Beloved、エルビンのドラムが凄まじいAmen、祈りにも似たAttaining(到達、成就)、ギャリソンの長いベースソロの後、トレーンの激情が迸るようなブロウを経て、再びベースのソロで幕を閉じるAscent(上昇/昇天)まで、トレーンの"神への祈り"というテーマに貫かれた名曲ぞろいのアルバムなのです。「A Love Supreme」まで足を踏み入れながら、このアルバムを聴いた事が無いあなた、まずは視聴してみて下さい。絶対はずしません、保障します。

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