【サンタナ、ハンコック、ショーター】レポート1


結論から言うと、僕はこのライブ騙されたような気がしています。何故かと言うと、今回3人の顔合せと聞いて3人が夫々の音楽性をミックスさせた、もう少しジャズよりの演奏が聴けるものと思っていたので。だって、チケットを販売しているHPでもウェインとハービーの写真しか載せてないんですよ。これじゃ誰だって二人のデュオにサンタナがゲストと思うじゃないですか!

ところがライブが始まると、いきなりサンタナのギンギンギター全開でラテン祭りモードです。やたらド派手に目立つドラムスは何とデニチェンこと、デニス・チェンバース!こりゃジャズ的展開は期待できないな、と思った通り、ウェインもハービーも何処か遠慮気味のソロ展開。時おりウェインがあのワン・アンド・オンリーな音色で独自の世界を作り始めるのですが、何せ全体の音楽と質が違いすぎてどうも乗り切れないのです。そりゃサンタナグラミー賞ももらってメジャーかも知らんが、この偉大な二人をサイドマン扱いかよ、と義憤みたいなものを感じてしまいました。

ただ、そうした状況を余り気にするようでも無く、自分の音を吹き続けるウェインの姿には、感銘を受けました。だって今のこの時代にウェインのサックスが聴けるって実は凄い事なんですよ。何せ1933年生まれの72歳ですよ。流石にソロが終わるとショーターだけはピアノの横に椅子が用意してあり、じっと座っていますが、延々3時間のライブを最後まで一緒にプレイしちゃうんですから。ここまで長寿且つ活動期間の長いジャズ・マンもちょっといないんじゃないでしょうか。
(次回へ続く)