【サンタナ、ハンコック、ショーター】レポート2

さて、ライブはサンタナナンバーが何曲か続いた後、急にアランフェス協奏曲のテーマが奏でられ、「おっ、今度はスパニッシュか?」と思わせたものの、実はMaria,Mariaなんて曲だったり、エレベのソロでレノンのImagineをやったり。

合間にハンコックとショーターをフィーチャーする場面もあるものの、モロジャズ展開は期待もできず、バンド全体で盛り上がる場面ではハンコックが手を止めて様子を伺うというシーンが何度も見られました。

その後はヴォーカルの兄ちゃんが客席を盛り上げようとステージ上を歩き回り、前方の客を煽っているのですが、どうもこのヴォーカルの声質も今ひとつ一本調子で余り好きにはなれません。

とは言え、最初からサンタナファンとして、ラテンを聴きにきたお客さんにとっては結構盛り上がったライブだったと言えるでしょう。

純粋にジャズ的な瞬間は、ハンコックとショーターデュオ演奏、そして最後のアンコール、至上の愛(A Love Supreme)!でしょう。
※ちなみにデュオで演ったあの曲名が思い出せない。最初はTenor Madnessかな、と思ったのですが、家で確認すると似てるんだけど別の曲です。あの特異なメロディはモンクだったと思うのですが。誰か覚えていたら教えてちょーだい。気持ち悪いーっ!!

至上の愛はちょっと意表を突かれ、それまでじっと我慢の子であっただけに、胸にぐぐっとくるものがありましたが、周りの殆どの客の「え、何この曲?」という反応に、本日のライブの状況が集約されていたと思います。ただできれば第1楽章のAckowledgementではなく、第3楽章Pursuanceからドラム・ベースソロを経て第4楽章Psalmまで通してやってくれれば、欲求不満も解消できたかな?って感じでした。

結論。素直にジャズを聴きたい人は、このライブは避けた方が良いでしょう。ただ、ラテン・ファンの方には結構楽しめたのだろうと思います。