Dancing In Your Head/Ornette Coleman


Dancing in Your Head

私的JAZZ名盤集Vol.1

1.Theme from a Symphony [Variation One]
2.Theme from a Symphony [Variation Two]
3.Midnight Sunrise
4.Midnight Sunrise [Alternate Take]
track 1,2
Ornette Coleman (as)/Bern Nix (1st Lead Guitar)
Charlie Ellerbee (2nd Lead Guitar)
Rudy MacDaniel (el-b)/Shanon Jackson (ds)
<Paris,December 1976年>
track 3,4
Ornette Coleman (as)/Robert Palmer (cl)
Featuring The Master Musicians Of Joujouka,
Morocco
<Morocco,January 1973年>

                                                                                                    • -

無性にオーネットが聴きたくなる時がある。これは20数年前にオーネット・コールマンにはまってから割と定期的にやってくる瞬間で、こうなるともうマイルスやコルトレーン、キースなどのフェイヴァリット・ミュージシャンでも替わりは効かない。この衝動に駆られた時に必ずターンテーブルに乗るのが僕の場合は「Dancing In Your Head」のTheme from a Symphonyなのだ。最も今では以前紹介した方法で、MP3化してi-Podで手軽に聴いているのだが。

これは一種麻薬のような中毒性を帯びた非常に恐ろしくも悦楽的なフリージャズである。とは言っても世間一般のジャズファンから敬遠されている様な、おどろおどろしく、訳の分からない音楽では決して無いのでご安心を。

オーネットがあらゆる音楽的な約束事や常識を取っ払い、真に自由な演奏に取り組んだ結果、産み落とされたユーモラスな大傑作である。これを聴くと僕の場合は脳みそがグニャグニャに軟らかくなり、疲れが吹っ飛び、気持ちが前向きになれるという効用があるオーネット・コールマンの中で僕の中ではベスト3に入る名盤。

大体がフリー・ジャズという言葉には大きな功罪がある。前衛的で理解されにくいジャズを全てフリージャズという一つの言葉で余りに単純に類型化してしまっている所がある。

しかし一言でフリー・ジャズと言ってもオーネット、コルトレーン、セシル・テイラーの3人の音楽は正に三者三様だし、コルトレーンが好きになれる人がテイラーのファンになるかというと、必ずしもそうは言い切れない。それぞれが絶対的、唯一無二の個性を有しているからである。

はてな」で「フリー・ジャズ」を検索してみると次のような解釈が出てきた。(以下引用)

一言でフリージャズといっても、西洋音楽的な制約に従わない、という点を除けば立脚するルールは個々に異なっており、演奏スタイルは演奏者の数だけ存在するといっても過言ではない。「フリー・インプロヴィゼーション」「フリー・フォーム」もほぼ同義。
敢えて差異を示せば、
「フリージャズ」はジャンル色が強く出ている表現。
「フリー・インプロヴィゼーション」は自由な演奏行為そのものを示す表現。
「フリー・フォーム」は自由な演奏形式そのものを示す表現である。

うん、この解説はなかなか良い。赤線部分がポイントである。十把ひとからげに「フリー・ジャズ」で片付けられてしまう音楽はその程度のものでしかない。真に優れたフリー(自由な)・ジャズは「オーネットの音楽」であり、「テイラーの音楽」と呼ぶべきなのだ。

“Coleman was dancing in our heads—harsh yet jubilant, alienated yet benevolent…True, he challenged every pre-conception of Western music…but that was secondary to his magnanimous spirit, his blinding unison of purpose.” –Gary Giddens, Visions of Jazz
コールマンは私たちの頭の中で踊っていた。
時に、辛らつに。時に歓喜に満ちて。
なじみにくくもあるが、慈悲と情けにも満ちている。
確かに彼は全ての西洋音楽の既成概念に挑戦した。
しかし、その事自体は彼の度量の大きな精神性、
まばゆいばかりの目的調和の派生的な結果に過ぎない。
(チュー訳)

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