マイケル・ブレッカー


Michael Brecker

私的JAZZ名盤集Vol.2

1.Sea Glass/2.Syzygy/3.Choices
4.Nothing Personal/5.Cost of Living
6.Original Rays/7.My One and Only Love [*]

Michael Brecker(ts,EWI)/Jack DeJohnette(Ds)/Charlie Haden(B)/Kenny Kirkland(P)/Pat Metheny(G)
<1987年>

                                                                                                    • -

どこかのブログでマイケル・ブレッカーが癌で闘病生活と知った。5月の報道であり、ぼくが帰国した頃の事らしい。ショックである。

インパルスで、意欲的なストレート・ジャズをやるようになってからのアルバムは、全て楽しみに聴いてきただけに残念でならない。マイケルの復帰を祈りつつ応援する意味で今日は彼の作品を紹介します。

インパルス移籍前、フュージョン(或いはクロスオーバー)の世界で活躍していたマイケルは、どんな短いソロパートでも、歌心あふれるメロディ−でクライマックスを作り出せる希有なミュージシャンとして注目されてきた。

AOR系アルバムへの参加も多く、普通の音楽ファンであれば、きっとそれとは知らずにあちこちで彼の演奏を聴いているはずだ。

ティーリー・ダン、マイケル・フランクス、ジェームズ・テイラー、オノ・ヨーコからSMAPまで。彼らのアルバムで、カッコ良いサックスパートが聴こえてきたら、それがブレッカーだ。
例えば・・・・

オーガスト/エリック・クラプトン
オーガスト

オーガスト

SMAP 009
SMAP 009

SMAP 009

ブレッカーのサイドマンとしての全仕事はこちら

そうした器用さが災いし、スタジオミュージシャンとしての評価が固まってしまっていた事への不満があったのだろう。インパルスへ移ってからは、こうした自身の殻を打ち破るかのように、優れたジャズを創造してきた。

これは移籍後に発表された、記念すべきl枚目。コルトレーン・ライクなパッセージを抜群のテクニックで、ハードかつメロディアスに決めていく奏法は快感そのものだ。脇を固めるメンバーも超豪華!勿論完成度で言えば、後に発表された「Tales From The Hudson」のほうが上なのだが、何せあのブレッカーがモロジャズの世界にやってきた!という嬉しい驚きの記憶がこの1枚にはあるのだ。

※このブログを書いたのが2005年8月。マイケル・ブレッカーは、2007年1月13日、白血病で、世界中のジャズファンの回復に向けた祈りも空しく逝去された。享年57。ブレッカーの死を悼み多くのミュージシャンから追悼文が寄せられた。これらを読むとブレッカーの偉大さとジャズ界の損失の大きさが改めて感じられる。(2008年1月追記)

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