Dippin' / Hank Mobley


Dippin'

私的JAZZ名盤集Vol.1

Lee Morgan(tp),Hank Mobley(ts),Harold Mabern(p),Larry Ridley(b),Billy Higgins(ds)
1.The Dip/2.Recard Bossa Nova/3.Break Through
4.Vamp/5.I See Your Face Before Me/6.Ballin'
[Bluenote] <18.Jun.1965>

上海での駐在期間中、情報も少なくジャズシーンの変化から取り残されていましたので、最近は、この10年間にリリ一スされたものをTSUTAYAで借りてきて、聴いています。


昔と違って今はCDをPCに放り込めば、《iTunes(I-Podと連携するソフトウェア)》で、勝手にMP3データとして取り込まれ、アルバムタイトル/ミュージシャン/曲名の他、何と作曲者名までネット上の音楽データベースから自動的に取り込んでくれます。この間、ものの5分というお手軽さです。

MP3データで音楽を管理する便利さは、データが増えれば増えるほど、実感できます。CDコレクションも数百枚となると、聴きたいCDを探し出す事自体が一苦労。とても多くのCDの代表曲だけをつまみ聴きするなんて、できませんよね。CDの出し入れだけでも結構面倒ですしね。

その点、MP3などのデジタルデータに変換し、PCで管理すれば、CDやLPなどオリジナルの音源が痛まないし、検索がとにかく便利。ミュージシャン/アルバム名で探せるのは勿論、曲名や作曲者での検索もお手の物、など良い事ずくめなんです。

最近よくやるのは、気に入った曲をいろんな演奏家のバージョンで聴き比べすること。ちなみに僕のi-Tunesで”You don’t know what love is ”を並べてみると、Billie Holiday/John Coltrane/Eric Dolphy/Keith Jarrett/Mal Waldron/Pharoah Sandersたちによる様々なバージョンがみつかります。
i-Podをまだ経験されていないジャズファンの皆さん、是非一度お試し下さい。きっと手放せなくなりますよ。

さて、そうした目でアルバムを探していると、べテラン、ハロルド・メイバーン(p)が随分と再評価されてるんですね。

Venusレーベルの,など、アマゾンのリスナー評価はどれも高いようです。矢野沙織のアルバムでバックを務めたり、日本での人気の程が伺えますね。

メイバーンって結構古い人だったよなぁと調べてみると、ハンク・モブレーの超有名盤でピアノを弾いていたのがメイバーンだったわけです。

で、やっと本題にたどり着きました。ハンク・モブレーと言えば、Blue note録音の,などの名盤で知られていますが、ヒット作としては、やはりこの《Dippin'》でしょう。モブレーやグリフィンなど60年代に活躍したテナーマンは、どうしても同世代のコルトレーン、ロリンズなど大物や、フリー系のシェップ、ファラオやウェイン・ショーターら新世代の若手にはさまれ、注目度では落ちますが、いぶし銀のような愛すべきジャズマンだと思います。

65年といえばゲッツのボサノバ・ジャズがブームを呼んでいた頃なのでしょう。も、名作「Recard Bossa Nova」始め、ボサノバ調の曲が多く、どれもメロディアスで、何度聴いてもウキウキさせられます。

特にタイトル曲「Recard Bossa Nova」の楽しさ。今の耳にも色褪せる事なく、魅力的に響きます。メイバーンのピアノも乗りが良く、派手に盛り上げてくれるし、ヒギンスのサポートもさすが。モーガンのソロは粗さは目立つものの、若さにまかせたガッツ溢れるプレイで、ファンキーなパワーを放出しています。

ジャズの歴史的名盤に選ばれることはないかもしれませんが、こういうB級名盤は要チェックです。

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