ハチママ・バースディ・パーティー!(2005)


今日は8月8日、先日予告したハチママ・バースディ・パーティーで盛大に盛り上がってきました。店名の由来となった昭和8年8月8日生まれの8ママも今年で齢72歳。

"老いて尚、盛ん"という言葉は、全くこのおかんの為にあるんかい!と、いうくらい相も変わらず元気なママを囲んでのパーティーには、毎年決まって山下洋輔さんが飛び入りしてくれるのです。

日頃は滅多に埋まることのない、この店も、毎年この日ばかりはあちこちからお客さんが駆けつけ、テーブルの取り払われた店内は、それこそ立錐の余地も無い状態となります。

中には5歳のお嬢ちゃん連れの夫婦までいたりして、「洋輔さん聞くの何回目?」と聞くと、なんと3回目だそうな!2歳から洋輔さんの音楽を聴いて育った女の子が一体どのような人生を歩んでいくのか、「フリージャズの幼児教育に与える影響」というテーマで研究してみたいものだとつい馬鹿な考えが浮かんだりしてしまう。

このように、この店には山下洋輔を中心に青春を送ったお客さんが大勢いて、子供に洋輔と名付けたケースをアンケート調査すれば、多分100人は下らない(と、思う)。かく言う僕も、長男の名前は洋輔、と考えていたのだが、名前事典で調べたら画数が良くないとあって、気にする両親の意見を尊重し、ようすけ→ゆうすけに変更したのでした。

ま、なにはともあれ店内は、8月8日の面白さを知っているコアなファンでごった返し、ママと洋輔さんの登場を今か今かと待っていた。

7時半に二人が来場、お客さんの割れんばかりの歓声と拍手。そして洋輔さんのライブが始まった。今年は上海で山下トリオを聴いていたが、ソロを聴くのはかれこれ11年振り。

結論から言うと今日の洋輔さんは最高に凄かった。勿論いつだって凄いには違いないのだけれど。疾走感溢れるパワー全開のプレイも大好きなんだけど、今日のプレイは絶妙の緩急織り交ぜたアドリブで、凄みに円熟味がどんどん加わってきているように感じました。

以前は、例えばスローバラードがちょっと似合わないというか、指が走り出したがってるのを我慢しているようなもどかしさを感じる事もあったのだが(洋輔さん、偉そうな意見をすいません)、今日のスローバラードは、心底聞き惚れてしまいました。

作曲の面白さも相変わらずで、愛知万博で共演された津軽三味線に刺激されてできたという初めて聴く曲も、タッチが成る程、三味線風で洋輔さんらしい和魂ジャズ。

久々にA Night In Tunisia&Autumn Leavesの洋輔バージョンも素晴らしい演奏でした。この2曲は76年、ドイツはenjaレーベルに吹き込んだ「バンスリカーナ」というソロピアノアルバムで初演されてから洋輔さんのお気に入りのレパートリーとなっているのですが、この30年の洋輔さんの歩みの重さを感じさせるものでした。

その後も気合の入ったアドリブが冴え渡り、ただでさえ超満員の酸欠状態の中、まさに息も付かせぬ1時間でした。

ライブの後は、お決まりのジャムセッション。今日はのっけからママの定番「りんご追分」、更に恐怖のマッチョ・フリースタイルヴォーカル、おーちゃんも加わり、とても文章では表現しがたい曲(なのかな?)を一発かますと店内は一気にジャズの8月革命か?てな雰囲気に。

その後も、としちゃん&ひめさんの2テナーによる著作権フリー曲など、皆がやりたい放題のディープでコテコテな浪速ジャズの世界が繰り広げられるのでした。

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