Rip,Rig&Panic/Rahsaan Roland Kirk


Rip, Rig & Panic/Now Please Don't You Cry, Beautiful Edith

私的JAZZ名盤集Vol.1

Roland Kirk(ts,manzello,strich,fl,castanets,oboe,siren),Jaki Byard(p),Elvin Jones(ds),Richard Davis(bs)
<1965年>

ローランド・カークもミンガスを通して好きになったミュージシャンの一人です。初めて聴いたのはタウン・ホールでのライブ盤だっと思いますが、そこでの驚愕のブレスレス奏法にぶっ飛んだ思い出があります。

このブレスレス奏法というのは、鼻だけで呼吸を続けながら、延々と、それこそ何分間もサックスを途切れる事なく吹き続けるという、信じられない大技です。


アルトサックスを吹いてた大学時代の先輩は、これに挑戦し、マスターこそ出来なかったものの、唇の片側の透き間からブレスする、えせブレスレス奏法を生み出しました。ある時、酒気帯び運転で、警察につかまり、アルコールテストをするはめになった先輩、おまわりさんに見えない唇の左側から吸い込んだ空気を検査器に吹き込むという、機転を利かせた裏技で、見事にその場を逃げ切ったのでした(笑)。

本題からずれましたが、このカークさん、他にも同時に3本のリード楽器を演奏したり、サイレンやホイッスルを使ったりと、表現の為なら、なんでもありの奇人なのですが、決してゲテモノの類いではなく、しっかりとジャズ魂が一本通ってる所が凄いんです。
とはいえ、夢枕に立った神のおつげで3本奏法に目覚め、くわえ易い楽器を自作してしまったのですから、相当な変人ですよね。

このアルバムは後にタイトル名をロックバンド(ドン・チェリーの娘のネネが参加してました)が使ったりしたので、ピンときた人もいるかもしれません。これもカークの音楽がジャズという枠に収まること無く、幅広い影響力を有していたことの証しでしょう。

カークの魅力が堪能できて、同時にエルヴィンの素晴らしいドラミングも楽しめるこのアルバムは、強力プッシュの1枚なのです。
ちなみに最近のCDは「Now Please Don't You Cry, Beautiful Edith」というアルバムとカップリングされたお徳盤になっているようです。

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