姫さん「(恐怖の)フリー八番勝負、その壱」

先日のフリーテナーマン姫さんの題して「(恐怖の)フリー八番勝負」の1回目となる
ライブの模様を紹介しましょう。

ちなみに姫さんはハチの常連バンドマンの中でも筋金入りのフリージャズ派で、
僕も昔から一番大好きなテナーマン。まず理屈ぬきで音が良い。
加えてこれだけ、面白真面目にフリージャズを追求している人も珍しい。
ユーモアセンスもたっぷりの姫さんですが、なんと言ってもフリーフォームジャズ
なので、万人向けの演奏では決してありません。

動画の再生ボタンを押す前に、「どんな音楽も受け入れるぞ」と、少しだけ
心の準備をしてください。

はまれば きっと気持ち良いです。信じる者は救われる。

まずは姫さん定番の「Imitation Blues」。

2曲目はタイトル不詳の「Free Jazz Tune」。

続いて一風変わった(え、どれも変わってるって?)「このような譜面を与えられたとせよ」
という、音大の入試試験のようなタイトルですが、実はこの曲の譜面、音符が一切
存在せず、イラストや記号のコラージュのような譜面なんです。

この曲の初演は、友人の結婚式披露宴らしいのですが、やるほうもやるほうだけど、
姫さんに披露宴で演奏を頼む友人というのも相当度胸がありますよね。

4曲目は「My Name Is・・・」です。

Albert Aylerという、フリージャズファンにとって ヒーロー的なアルトサックス奏者が
FONTANAレーベルから出した「MY NAME IS ALBERT AYLER」というアルバムがあります。
その1曲目に収録されている「肉声での自己紹介」をテープ編集したものをバックに流しつつ、
そのアイラーの声にかぶせて演奏しています。

「My name is Albert Ayler

My name is Albert Ayler.
I played back when I was about eight years...my father made me play a saxophone and so forth...
So,When I was in high school,I played first chair.I played oboe there.
And ,then on through hight school,I played golf also.
And when I graduated from high school,I went to college for one year,but due to the fact that
money wasnt strong enough,I had to leave college .
So,therefore,I had to think of a different way to go.
So, from there,I went to the Army and I stayed for a little while.
And there I developed and I met quite a few guys,good musicians,that...that helped me,and
I helped them feeling wise.
I had always wanted to come to the Scandinavian countries.
Id heard a lot about Scandinavian people.
So,I had my opportunity.
I'd saved quite a bit of money and when I come over here,I feel quite free,really free...
I feel free over here.
One day,everything will be as it should be.

これがその自己紹介の内容。今回ネットで探してみて、読んでみると
アイラーは、お父さんに進められ8歳からサックスを始め、高校時代ではオケのファースト・オーボエだった。
そしてなぜか「高校時代にゴルフもしていた」らしい。
その後「大学へは1年行って金銭的問題で中退せざるを得なかった」という、金持ちなのか、
貧しかったのがよくわからない。まぁ、それはどうでもいいが。

5曲目は「Free Standard」なるナンバー。

出だしの姫さんのソロがめちゃカッコよく、続くギター、ピアノのソロも雰囲気たっぷり。
最後を締める姫さんのノイジーかつフリーキーなサウンドが最高!!
決まりすぎてて、思わず笑ってしまいました。

最後は文字通り「Last Tune」。とは言ってもタイトルを聞きそびれただけなんですが。
どことなく、Archie Sheppのビッグバンド的な雰囲気のリフからスタート、ギターソロの
後、マスターの熱いピアノソロ、さらにドラムソロを経てテーマに戻り、めでたく本日の
ライブも幕を下ろしたのでした。


いや、良かった。