ジャズ・スタンダードYouTube聴き比べ「My Funny Valentine」

(作曲:Richard Rodgers/作詞:Lorenz Hart)

My funny valentine, sweet comic valentine
You make me smile with my heart
Your looks are laughable, unphotographable
But you're my favourite work of art
Is your figure less than Greek ?
Is your mouth a little weak ?
When you open it to speak
Are you smart ?
Don't change a hair for me
Not if you care for me
Stay little valentine, stay
Each day is Valentine's day

私の愉快なバレンタイン 可愛くって、おかしなバレンタイン
あなたは私を笑わせてくれるわ
あなたのルックスったら笑っちゃう 写真向きじゃあないわ
でも、私好みの芸術作品なの
ギリシャ彫刻よりスタイルは良くないし
口元はちょっと締まりがないし
話し方だってそれでスマートなつもりなの
髪型も変えちゃ駄目
私を愛してるんでしょ
そのまま変わらないで
毎日がバレンタイン・デーなの



1962年フランク・シナトラ来日時のライブから。

チェット・ベイカーの中性的な歌声も合いますね。

キース・ジャレット・スタンダーズ。表情のアップから、キースの
演奏への没入ぶりがひしひしと伝わってきます。名演!

でも、なんと言っても極めつけは、マイルスですね。

ジャズ・スタンダードYouTube動画聴き比べ「'Round about Midnight」

ジャズ聴き始めの頃、真っ先に好きになったスタンダード・ナンバー。
"ラウンド・ミッドナイト"と言えばやっぱこれでしょ。

で、これは黄金のクインテットによる1968年はStockholmでのライブ。
Miles Davis(tp) , Wayne Shorter(ts), Herbie Hancock(p),
Ron Carter(b) ,Tony Williams(ds)

女王エラ・フィッツジェラルド+ピーターソン・トリオから。
Ella Fitzgerald(vo), Oscar Peterson(p)
Ray Brown(b), Ed Thigpen(ds) (UK, 1961)
ついでに歌詞も勉強しましょ。

It begins to tell,
round midnight, midnight.
I do pretty well till after sundown.
Suppertime, I'm feeling sad;
but it really gets bad,
round midnight.
Memories always start round midnight.
Haven't got the heart
to stand those memories,
when my heart is still with you,
and old midnight knows it, too.
When a quarrel we had needs mending,
does it mean that our love is ending?
Darling, I need you, lately I find
you're out of my heart,
and I'm out of my mind.
Let our hearts take wings
round midnight, midnight.
Let the angels sing,
for your returning,
till our love is safe and sound
and old midnight comes around.
Feeling sad,
really gets bad
round midnight...


ボビー・マクファーリンによる"ミュート・トランペット"ヴォーカル。
って、この人の喉はほんとにどうなってんの?
Bobby McFerrin (vo) Herbie Hancock (p) Tony Williams (ds) Buster Williams (b)


珍しいマッコイ・タイナージョージ・ベンソンの共演。


最後はやはり作曲者、セロニアス・モンクの演奏で締めましょう。
1966年、ノルウェーでのライブです。
Thelonious Monk(p) Charlie Rouse(ts) Larry Gales(b) Ben Riley(ds)

ジャズ・スタンダード動画聴き比べ「A Night in Tunisia」

先日紹介したギターのMartijin Van Itersonの演奏ビデオをYouTube
探していた際に気づいたのが、同一タイトルのスタンダードナンバーを
様々なミュージシャンの演奏で聞き比べるのに、YouTubeはピッタリだということ。

特にジャズの場合はミュージシャンによって、とても同じ曲とは思えないほど
崩す場合もあり、これは追求すれば展開すれば面白いなぁ、と一人で悦に入って
います。

という訳で、JazzスタンダードのYouTube聴き比べ(というか、見比べ)第一弾は、
A Night In Tunisia! How about a big hand!!

まずは極めつけ!
Wayne Shorter(ts), Lee Morgan(tp),Jymie Merritt(b) , Walter Davis Jr.(p)
を擁したArt Blakey & The Jazz Messengersの1959年のパリでのライブから。

趣向を変えてチャカ・カーンのヴォーカルで。これもカッコいい。

Dizzy Gillespieキューバのトランペッター、Arturo Sandovalを迎えた
ビッグバンドでのライブ。Arturo Sandovalのソロが凄すぎてぶっ飛びます。


最後は珍しいオールスターバンドで。
ジョージ・ベンソンのヴォーカルも良いけどギターも聴きたいような。
Arturo Sandoval(tp) Darren Barrett(tp)
James Moody(fl) Sheila E(perc)
Herbie Hancock(p) George Benson(vo)

2月のハチママナイト

2月13日のハチママナイトは、珍しい事に本人が高血圧で体調を崩してお休みだった。
記憶にある限り、オカン・デーにママがお休みというのは初めてではないか。

月曜日には通院していると思うが、具合はどうだろう。
日頃から元気な姿を見慣れているが、ママももう75歳である。

お体には充分気をつけて健康でいて欲しい。ママのいないオカン・デーは
気の抜けたビールよりもいただけないのだから。

とはいえ、この日も常連バンド、オス・ガーロスの面々とテナーの姫さんが集まり、
熱い演奏を聴かせてくれた。

メンバー:Fuちゃん(g)/Hさん(b)/Sさん(ds)/マスター(p)/姫さんts)

まずはスロー・なブルースから。

続いてはThe Girl from Ipanemaイパネマの娘

3曲目


ラストは御馴染みのテーマソング。

ちなみに、この日は先日のマスターに続き、カウンターのアキちゃん
の誕生祝いも兼ねていました。という訳でフリージャズ調Happy Birthday!
アキちゃん、おめでとう!!祝你生日快乐!

オランダのギタリスト、Martijin Van Iterson

先日の13日、2月のハチママナイトだというのにママが珍しくもお休み。

聞けば月初から調子が悪かったそうで、早く良くなって元気な顔を見せて
欲しいものです。

さて、この日はFuちゃん(g)、Hさん(b)、Sさん(ds)、マスター(p)、姫さん(ts)
という面子でのライブが繰り広げられました。
この模様は明日レポートするとして、今日はその日ハチで聞いた渋いギタリストを
紹介しましょう。

常連客で店内がにぎやかになってきた所に、初めて聴く渋いギターカルテットの
音楽が流れてきて、思わず聞き入ってしまいました。

CDジャケットを手にとって見ると、Martijin Van Itersonという発音すら
わからないギタリスト。一体どこの国の人なのでしょう。

調べてみると、オランダのギタリストで、マタイン・ヴァン・イターソンと
発音するのだそうです。

このアルバムには同じオランダの人気ピアニスト、カレル・ボエリーも参加していて、
レベルの高く、それでいてとても聴きやすい上質なジャズが詰まっています。

Whole Bunch

Whole Bunch

YouTubeにもありました。ぜひ。

自分の好みだけで音楽を聴いていると、ついついCDを買うアーティストも固定して
しまいがちですが、ジャズ喫茶(バー)の楽しみは、優れた新人にめぐり合える事で
しょうね。なんせジャズ喫茶のマスターという人達は、毎日少なくとも8時間、年間
へたすりゃ2000時間以上もジャズを聴いているという恵まれた人種ですから、情報量
が違います。

ギタリストといえば、先日もハチでこんなCDを聴きました。

Last Nite

Last Nite

ラリー・カールトンなんて、正直高校生時代(30年前!)、フュージョン・ギター
全盛期にリー・リトナー、アル・ディメオラらと共に、あくまでフュージョン
ギタリストとして聴いていたものの、その後こんなカッコ良いジャズをやっていた
なんて全く知りませんでした。

ただ、このアルバムもTSUTAYAで借りて、家で聴いていたのでは、圧倒的な音場感や
音のキレに気づかず、まぁまぁのアルバム程度の評価で通り過ぎていたかもしれません。
というのも、このアルバム、その後入手してiPodでも聴いているのですが、初めて店で
聴いた時程の衝撃がないんです。

やはりハチのような「もろジャズ空間」で、アルテックから噴出する強烈な音量と、
空気振動の中に身を置いて、はじめて感じ得る感動というものがあるんですね。

そうそう、いんたーぷれい8では平日午後3時〜5時のGAN GAN TIMEを復活したそうです。
最近のヨーロッパのピアノトリオを中心に、新作をどんどんセレクトしているとのこと。
時間に余裕のある関西在住ジャズファンの皆さん、新しいジャズの息吹を感じに
ぜひハチを覗いてみてください。

いんたーぷれい8

1.場所 大阪市北区西天満6−9−9久栄ビルB1
2.最寄り駅 地下鉄南森町・梅田駅
3.TEL 06−6363−4888
4.予算 ランチ680円〜・コーヒー400円・ビール680円〜・セット1980円〜
5.時間 月〜金曜11:30〜23:00・土曜19:00〜LAST <日・祝定休>

横浜の隠れ家的ジャズバー「上町63」

先週末に横浜出張で、土曜の晩に横浜泊の機会がありました。、
これはチャンスとばかり、古い雑誌「男の隠れ家(2007/11)ジャズを巡る旅Vol.2」
を引きずり出し、ハマのジャズバー情報をチェック。

身近で生のライブが聴ける店として紹介されていた「上町63」に目が止まり、
調べててみると、当日のライブは山田穣(アルトサックス)さんのピアノレストリオ
とのこと。

日本人ミュージシャンは山下洋輔一派以外では大西順子上原ひろみしかライブ経験
の無い私ですが、山田穣さんの事は、以前 上海駐在時代に「スイング・ジャーナル誌」
ハイネケン・ジャズ・コンペティションに優勝したときの記事が載っていて、一度
聞いてみたいと思っていました。

午後9時前に「新横浜プリンスホテル」にチェックイン、荷物を部屋に放り込むと、
そそくさと馬車道方面へくりだしました。
駅から程近いけれど見つけにくい「上町63」は私好みの正に隠れ家的スポットでした。




店内は、これまで私が行った事のある、どのジャズバーよりも狭く、カウンターに5席、
テーブル席に詰めて14人も座れば文字とおり満員御礼という大きさです。

上の写真の左奥辺りのテーブルは当日は撤去されており、その狭いスペースでアルト、
ウッドベースとドラムの3人が構えて演奏するのです。(当日演奏者はいなかったものの、
ピアノも置いてありました)

ライブが始まった9時半の時点では客が4人しかおらず、これで採算取れるのかなぁと心配
していると、10時を過ぎて、セカンドセットが始まる頃には、9人組の「ちょい悪オヤジ集団」
が入ってきて、一瞬で店内は超満員状態になりました。

噂に違わぬ臨場感と密着感満点の店内で聞くライブの迫力は満点でした。
山田穣さんの演奏も、スタンダードあり、ドルフィーやオーネットのオリジナル曲ありと
変化に富んだ飽きさせない選曲と、推進力のある演奏が素晴らしく、特に音色の美しさが
耳に残りました。

セカンドセットが終わったのは11時半。翌朝が早い僕は、仕方なく店を後にしましたが、
できればじっくり腰を落ち着けて飲みたくなるバーでした。

上町63オフィシャル・サイト

お勧めテナー・サックス奏者 Jerry Bergonzi

ハチのマスターが、最近ではイチオシという、テナーサックス奏者、Jerry Bergonzi
を紹介しましょう。

まずはYou Tube上のBergonziのVideoで最も再生回数の多い1996年の演奏、
「Johnny Progress」をどうぞ。

Jerry Bergonzi - ts
Mick Goodrick - g
Mike Richmond - b
Adam Nussbaum - dr

このBergonzi、マスターの評価では、ColtraneとBreckerの研究レベルで言えば
Dave Liebman以上だとのこと。

というわけで、お次は"John Coltrane Memorial Concert"における「Theme for Ernie」です。
なるほど音色が本当にトレーンしてます。

とはいえBergonziのビデオを探していて見つけたDave Liebmanの「My Favorite Things」も
なかなか捨てがたいですよね。